─2階・廊下─
[一緒に、という言葉。
女はひとつ瞬いた後、ゆる、と首を傾げ]
ええ。
エッタ様をお一人で放り出すような事はしませんわ。
[少年の言葉。
『連れ戻しに来る』。
それが望まれぬ事と感じたから、そうならぬよに、と。
それは、今の女にとってはごく自然な発想]
では、参りましょう?
墓守殿、申し訳ないけど、後はお願いするわ。
[去り際、墓守にはこんな言葉をかけ。
ひとまず、向かったのは自分の客間。
そこで、ヘンリエッタの背に打ち身の痕がないかを確かめたり、少女の気を紛らわせるために他愛ない物語を聞かせたりしている内に、大分時は過ぎていた]