─ 翌日 ─
[ときおり咳き込みながら寝台で震えていたが、断続的には眠っていたようだ。
朝、騒ぎになっている声>>0:175、>>0:179、>>1はなんとなく聞こえていた。
寒気と寝不足と咳でぼんやりする頭では、それが何を意味するかまで考えられず。
休んでいれば少しは回復するだろうとの淡い期待から、そのまま寝具を被って横になっていた。
うとうとしていたのは、数十分か数時間か。
ふと気が付くと、鎧戸とカーテンを閉めたままの窓は暗いままで。
廊下の足音を聞きつけたビルケが、短く鳴いて知らせたのはノック>>21とほぼ同時。]
あ……、朝…だよね…。
[ユリアンはのろのろと起き上がり、馬布のコートを寝間着の上に羽織って扉を開ける。]