―空室―[予定より随分経っていたのは確かだった。桶の中の水が思っていたよりも減っていたから外へ汲みに行ったり、そもそも入った事の無かった台所でコップの位置すら分からなかったり、広間のスープをついでに持って行くかで迷った挙句、先程の様子を思い出して止めたり、その間にパソコンは見なかったから、また1人命を落とした事は知らなかったが、ともかく]……。[或いはすぐに戻っていたとしても、それが為されるには十分過ぎる時間だったのかも知れないが、そんな事知る由もなかった]