─宿屋/食堂─[妻の周りで起こる会話に、夫であるゼルギウスの相好も笑みに崩れる。]本当に、皆に幸せをくれる佳い子だなぁ……―――。[産まれてもないのに、親莫迦っぷりを発揮してほのぼの。]――……そっか、べッティさんもお嫁さんになるのが夢なんだねぇ。[べッティの視線を受けると、やや間をあけてポツリと、すこぅしだけ困ったような微笑を見せるのは、今朝方のアーベルの答えを思い出して。それは彼の気持ちは彼にしかわからずとも、放浪する性を見てのこと。]