[やがてユリアンは上体を起こした。ビルケの首筋を、背中をしっかりした手つきで撫でて、] ありがとう。[と囁く。ビルケは尾をぱったぱったと振った。彼はやはり死者に誘われていたのだ、自分がそれを止めたのだ、とわかって嬉しかった。どこからか強い、真新しい血の臭い>>18がする。その死者がユリアンを誘いに来たのかもしれないと思い、耳だけをその方向へ向けた。]**