[ラッセルを庇う言葉にも胡乱な目は変わらない。生きた状態で違うとわかるのは目の前の男ではないと、自分だけは知ってるのだから。だがそれ以上言うべきことはなく男の執着だけを頭に残して扉へ向かう]あ゛ん? 返り血だけじゃねえのか。ほらよ、消毒に使え。残りは返せよ。[血を流すという声に振り返り、ポケットの酒瓶をクインジーに投げる。手当てを手伝うのは一人で十分と昨日と同じく城の内部を巡る]