― 都市の通り ―[普段は店と仕入先、テレ―ズ宅への往復くらい。夜に料理屋に飲みに行きもするがそれも毎日ではない。どちらかといえば行動範囲の狭い道具屋はメリルの事も、ノクロの事も、ユーリの身に起きた事さえ気付けない。] ……あ?[いささか間の抜けた声が漏れる。道端に蹲るミケルの姿が行く手に見えたから。普段通りの歩みで彼の方に向かい、その手前で足を止めた。頭の位置同じくするように、しゃがんで] ミケル。 何かあったか?[年下の絵描きに柔い声を向けた。**]