―集会場 外―
そっか。腫れてるんじゃねーのか、それ
じんましん?
[それが花のようには自分からはよくは見えなくてわからずで。
みるみるうちに血色をなくし、色彩をなくしていくウェンデルの顔を見下ろした。彼の妹分だったリーチェの嗚咽が物悲しい>>29]
……なぁ、ウェンデル、弔ってやんねーとな。
団長の横でいいかな。
人狼か人間かはわかんねーけれど、でも、大事な雪合戦仲間だったから。
[よろよろながらも立ち上がる。毎年冬は子供らを集めてはゲリラ戦して遊んでた。その中で、時々痛い雪玉だと思えばキャンディ入れて投げてきた、悪戯好きの少年。でも、もう彼と遊ぶことは二度とないのだ。
一日に二度の、永遠の別れに、体に何かがまとわりついて動けないようにも感じた。が、生きているからには、前にいかなくては。ラーイがそうしている、ように。]