もっとも、これだけでは物証足り得ないかも知れませんが。
……ある意味、彼を殺す理由は、ありますからね、私。
[殺されていたのは、自身を二度狙った相手。
他者からすれば、殺害動機としては十分なものと見えるだろう、と。
そんな考えから何気なく口にしたその言葉が妙に引っかかるような心地がした]
……理由。
殺す、理由……?
[呟いて、しばし、目を伏せる。
自分を狙われた事が動機となりうるなら。
同じものを動機とし得る者がいるのでは、と。
それは、最初にここの状況を把握した時に思い至った事にも繋がって]
…………。
[軽く、唇を噛んだ**]