[狐を探す鷹の目の男の後を追う。しばらく飛ぶうち体内に蓄積した虚に蝕まれた肺が悲鳴を上げ、速度を落とす。慌てて前を見ると、紫紺の男の視線を受けて、息を飲んだ]『足手纏いだ。』え……?[その獰猛な鷹の目で示されたのは近くの施療院。一言のみを告げ、振り向いて飛び去る男の背中を、追うのは止め、ただ]……あの……っ服……とベッド……ありがと[かけた言葉は届いたのか、鼻を鳴らす音が風に乗り聞こえたような気がした。聖殿から封印の光が溢れ出る、ほんの少し前の事]