………案内を、頼めるかな。
[ミハイルにそう願いマクシームのもとへと足を運んだ。
茂みから引きずり出された幼馴染は篝火近くに横たわっている。
マクシームの傍らで膝を折りその首筋へと手を宛がえば
微かなぬくもりが伝い淡い期待が過ぎった。
けれど、鼓動は感じられない]
シーマ、……。
[幼馴染を愛称で呼びかける。
待てど返事はなく沈黙が過ぎった]
如何して、こんな事に……
[遣り切れない思いが薄いくちびるから零れる。
帰るように強く言えばよかった。
俯いて影になる男の顔は何かを堪えるように歪んでいた]