カルル、いるか!?
[駆けあがった勢いのまま、半開きとなっていた図書室の扉を開け、入室する。
室内に溢れる鉄錆びの匂いに、ここで何があったのかを男は悟る。]
……カルル。
[茶白猫の先導によってたどり着いた先には、壁際の机の傍で仰向けになり、
喉には引き裂かれた痕と、心臓と内腑が空になったカルルの遺体があって。
机の前の壁には、喉から噴き出たものと思われる夥しい量の血痕が残されていた。]
……こいつは、また。
Amen.
[掃除が大変そうだな、と意識が現実逃避を行いながら、聖句を唱え、
カルルの傍へと近づくと、カルルの手にはメモ紙が握り締められていて。]