― 回想 ―
[自分の起こした小さな騒動にも気づかずに、虎視眈々とお菓子の生る木を口説く算段を立てていたときのこと。]
……ほ?
おぉ、あれかい、お前さん、アナちゃんのセバスちゃんかい。
そうじゃのぅ、せっかくじゃ…し……
[男から問い>>7を受け、誤った認識を抱きながら悠々と注文しようとして――けれど、声が半端に止まったのは男の内包する気を感じ取ったが故の事]
……あ、あちらのお嬢さんに水をいっぱ、
いや、駄目じゃよ駄目じゃ、お菓子の生る木に近付いちゃ危ないんじゃ!
そんなこと、お父さんは許さないんじゃよぅぅぅ!
[途端にまたもや震え出し、一人勝手に混乱の極みに至った。]