[分からないと答えて、両手で頭を覆うイレーネ。
混乱を無理ないと肯定するように小さく頷いてから、ユリアンは努めてイレーネを背に庇い続ける]
…俺も分からない。アーベルさんの仇…人狼が討てるのかとか、そもそもどいつがそうなのかとか…
でも。
[「見たくない、見せたくないから」
「起こして終わらせてあげる」
「私は慣れてるから大丈夫」
「皆でやればいい」
「一人じゃ駄目でも、皆でやれば」
ユリアンには到底意味の理解できない言葉を呟くベアトリーチェに、油断なく顔を向けたまま]
わけのわからない奴に注意深く目を向けて、妙な事をされないように気をつけて、警戒して…
そうしながら、何とか生き延びる道を考えるくらい…
それくらいなら!
[できたっていいはず。
少女が目の前から立ち去れば、それで良し。
駄目ならばせめてイレーネの手を引き、まだしも理解できる話の叶う人の多く居る筈の屋敷に駆け戻る隙を狙って、*足に力を込める*]