……疑ったら、なんなんだよ?
っとに……さっきから聞いてりゃ、お前……。
一体、どうしたいんだよ。
何がしたい、何がほしい?
……どうしていいのかわかんなくて暴れてる、ただのガキにしか見えねぇんだよ、ったく!
[声にこもるのは、苛立ち。
どこか、似ているような、違うような。
幼い頃の自分に。
人なのか獣なのか、それがわからずに震えていた、飛べない銀色の仔狼に]
……っと!
[ほんの一瞬、過去に取られた意識は、背後から迫る気配に気づくのを遅らせ。
とっさに身体を捻るも、かわしきれずに右の肩を銀が掠めた。
バランスが崩れ、再び、地面に降り立つ。
紅が零れ、地面を染めた]