[その傷には、覚えがあった。切られたのではなく、抉られたような、引き裂かれたような、傷。そうして、明らかに欠けた、肉の痕]これは……人狼……まさか、そんな……[昔、故郷を離れた元凶、姉を亡くした、そして自身が片目を失った、あの時の]ヒューバートさん、大丈夫ですか?[傍らの彼を見遣って声を掛ける。恐らく、自失はしてはいまいが]他の人に、報せなければいけません……ね。[ヒューバートからは、何らかの返事が返るだろう。それがなんであれ、一度、その場を後にして]