いこう、リーチェ。ここは寒いから。風邪ひいちまう。[座り込んだままのリーチェを、引っ張り上げるように立たせて、手を引く。いつもなら軽々と持ち上げられそうな華奢な少女が、途方もなく重く感じられた] あ、クレメンス先生。……リーチェ頼んでいいかな?[保父という職業柄、きっと自分よりはずっとずっと頼りになるだろうと] ……ウェンデルは死んだ。[次の言葉をいうと、自分の顔もサルのように赤くなって歪んだだろう。無理に泣くのを堪えた結果だった] ラーイが、殺した。