[港の外の海は未だ荒れ模様。漁に出られず困り果てている漁師達の間ではそれとは別の噂が立っていた]
……なに?
死体が港に打ち上がっただと?
[それは船の傍で嘆いていたフーゴーの耳にも入る。その死体自体は既に自衛団が回収し、検死を行っていると言う。その死体を垣間見たと言う漁師は奇妙なことを口にした]
……なんだよ、嵐に巻き込まれたようには見えなかったってぇのは。
…傷跡、なぁ…。
[告げられた内容に胡散臭げな表情をした。周囲では見間違いじゃないのかと言う声も上がる。しばらくはそんな話題が続いたが、直ぐに内容は今後の生活をどうするかへと移り。フーゴーもまた船を失ったことに気落ちしながら宿屋へと戻るのだった]
あーあ……半月前にメンテしてもらったばっかだったのになぁ…。
全然乗らねぇうちにぶっ壊れちまったぜ…。