[ある時、偶然深手を負った人間の子供と知り合った。
死にそうな様子を見るのが辛くて、癒しの力を用いた。
それが発端。
傷を癒した子供が、違う子供の怪我を癒すのを願ってきて。
それに応えたら、その子供が自分の親の病を癒してと頼ってきて。
求められる事、要とされる事を無自覚願っていた幼き神魔は、叶う限りそれに応えた、けれど]
……できないよ。
それは、できないんだよ。
[唯一、触れるを叶わぬ理──生死の螺旋。
死した者の再生を請われた時、幼き神魔は初めて拒絶を示した。
それでも、と。
頼るに慣れた人々はそれを請い。
叶わぬから、と訴えてその場を離れようとする神魔に一斉に縋りついてきて]