─宿屋/昨夜─
[戻るぞ、というフーゴーの声。
ゆっくりと顔を上げて彼を見上げ、それから、こく、と頷く]
……うん。
[小さく呟き、立ち上がる。戻る歩みはまだ、少しふらついた。
宿に戻り、ゲルダの手を借りて部屋へと向かう。
酒場を出る直前、未だ彼らがそこにいるなら。
『占い師』たちの方を少しだけ、見て]
……ウチは、大丈夫。ツィンもいるし。
それよか、ヴィリ兄さんの方が心配だよ……。
[大丈夫か、と問われるなら、こんな言葉を返したりしつつ。
結局は、一人でいさせて、と懇願する形になるか。
一人、部屋に残ると、膝の上に上がってきたぶち猫を無言で抱きしめる]