泉に咲く睡蓮に触れてはいけない。そう言われるのはきちんと根拠があってのことなの。祭壇もそう。触れてしまったら、『封』が破れてしまうかもしれないから───。[折れちゃダメと問うクレムの言葉に返すのは、肯定を含んだそんな言葉。自然に折れたと言う彼の予想を否定する言葉でもあった。言いながら、泉の傍へと歩んで少し覗き込む]……『蝕』が起きる日はね、『封』がとても不安定になるの。そんな日に誰かが睡蓮や祭壇に触れてしまったら、きっと…。