─ 教会・図書室 ─
[教会の図書室には、余り立ち入る事はなかった。
たまには本でも読んだらどうだ、と管理人には揶揄われていたのだが。
どうにも、本に囲まれていると嫌なものを思い出すような、けれどそれが何かわからないような、でもやもやとするから必要が無ければ近づかなかったのだが]
……結局それって、昔を思い出したくなかったから、なのかねー。
[そんな呟きを漏らしながら、ゲルダを探す。
やたら分厚い本を近くに置いている意味は何なのかなー、なんて思いながらもそっと近づいて]
もーしもし?
月のいとし子さん、お休み中ですかー?
[ごくごく小さな声で、囁くように呼びかけた。*]