―中央エリア・ビル―あらぁ、やっぱり嫌どすかぁ。[掠めるのは笑み、舞う紅に目線が流れる。迫る漆黒の針を一拍遅れて気付き、左肩を逸らすが、僅かな動きで避けられるものではなく]っ。[深々と刺さる針に、表情を歪める。それでも握った刀を落としたのは、痛みによるものではなく。空いた自身の右手で、鴉の右手首を掴もうと手を伸ばした。その隙に体勢を立て直した虎が、背後から義足を振るう]