どうも、連中は伝承がどうの、御伽噺がどうので
誰を処刑するのか決める心算はないらしい。
……だから、俺が魔女を査問しよう。
[そう口にして、食堂で話し合う人狼の嫌疑者を鼻で笑ったのは、
秘薬を調合するベアトリーチェを問い詰めようとした団員だった]
その結果で、どうするか決めればいいさ。
[ベアトリーチェに遣り込められた団員に
査問をさせるのは危険だという意見もあったが
人狼を招き入れた魔女かもしれない彼女と対する怖気が
結局、彼の言を受け入れることとなった。
――それが、悲劇を生むとはしらずに]