……っ……。[最初に目に入ったのは、あか。それから、ベッドの上にゆるりと広がる長い髪。最初に目に入ったいろさえなければ、ただ、眠っているだけと。そう、思った──思いたかった]……なん、で。[けれど、そこにある臭いと。ベッドの上の姉を取り巻く、あかいいろは。そんなささやかな願いを否定して、打ち砕く]ど……して、だよ。[零れたのは、疑問の声。けれど、返る答えはない]