では、行ってきます。多分すぐに戻りますから。
[旅人は、話が一段落した頃を見計らい、ライヒアルト、ナターリエと共に屋敷を出る。嵐は去ったが、風はまだ冷たく、ぶるりと身体が震えた]
何か、目印を立てておくといいと思いましてね。
[橋へと向かう途中にか、その場所に着いてからか、短銃の他にもう一つ、マントの下に抱えていた大きめな布を見せて、旅人は二人に自分の考えを話す。布の色は鮮やかな…血のような赤]
これを橋のあった場所に遭難信号代わりに括っておけば、向こう岸からも見えるんじゃないかと思うんですよ。
ほら、復旧するにも、また雪でも降ったら、橋のあった場所自体曖昧になっちゃいそうじゃないですか。
村の方で気付いたら、向こうでも何か目印を置いてくれるんじゃないかと思うんですよね。
[手旗信号というわけでもないが、村との連絡の助けになればと思い付いた策だった]