エーファ、って、フィクスシュテルンさんの所の……?
確か、ギュンターさんのお孫さん、だっけ?
[ぽつぽつと思い当たる事を口にして見るけれど自信が無かった。
向こうがこちらを覚えていないのは、男がすぐに思い出せなかったことを考えれば自然な事と受け止めた。
彼との歳の差もあるけれど、男自身もそう付き合いが広いほうではなかったから。]
前にも、って言うか、十年前までこの村に住んでたんだ。
俺も大人しい方だったから覚えて無くても仕方がないかな。
ん、と……雑貨屋のベッカーのところの、オトフリートだよ。
[そんな風に自分の身元を明かしてエーファを見る。
実家のことはあまり触れたく無いけれど、今回ばかりは仕方がない。*]