……っ![感じたのは、熱。首筋と、胸と。特に熱いのはそこだけれど、既にそこに留まらない。熱を逃したくて、無意識、襟元を開く。首筋を絡め取っていた茨は伸びて、身体の全体を絡め取るように伸びている。その一端は手首にも至り小さな茨が花弁を開くか。名実共に、『朱花の宿主』となる事を妨げていたものが失われて。支えとしていたものが奪われて。それによって、砕けたこころは朱の茨に閉ざされる。**]