─ 黒珊瑚亭 ─それは俺も同じ。何をどうすればいいのかなんて、てんで浮かんでこない。[近づいてきたカルメンに、どうした?と首を傾げて]ああ、今は大丈夫だよ。こんな話になるとは思わなかったから、緊張していたけどね。[近寄ってきたカルメンの視線が握りっぱなしの左手に注がれていることに気がつくと、若干震わせながら手を開いてみせた]