[楽しかった日々は忘れるわけがない。
オリガの声音に、大丈夫だと示すように、そっと笑みを作って、頷く]
逢えて、本当に嬉しい。
あなたの好きな聲を使えない。
――それでも、昔のように、友と呼んでくれるか。
[昔のような仕草には、己もまた両腕を背へと回し、抱きしめる・
耳元で言葉を囁くようにして。
それから、少しだけ、微笑った。
彼女が離れる時は、止めることはなくそっと腕を外す。
人を惑わすための聲は、時たまに親しい風の少女たちの為にも奏でられていた。
それをすることは叶わないけれど、彼女の友でありたいのだと。
言葉はそこまでを語ることはなかった]