(速い――!)
[それを見た瞬間に、ゲルダが速度を重視した攻撃に切り替えてきたのは簡単に想像できた。
符の展開。
――言霊を発している間に攻撃命中。
ならば符以外で対処するしかない――!]
くぅ!
[身を捻り、地面に倒れるようにしながら必死に礫を避ける。しかし全てを避けられた訳ではなく、うち二つが彼女の頬に傷を作った]
いったぁ……。何よ? いつもと違って妙に攻撃的じゃないの。何か儀式で目的でもあるの?
[例えば、ライをものにするとか……。という自分本位な意見は飲み込んだ。それよりも軽口を叩きつつすぐさま起き上がると、新作符術第三弾を二枚時間差で投げた]
(思念発火符!)
[言霊を使わず、効果を発揮できないかと、自分の血のみでルーン文字を書く事で言霊なしの思念だけで火の玉となる符を発明した。もちろん、弱点として発火しても掌サイズの火の玉最大五個が限度の技である]