―西エリア―
[着地。今度は足元まで変化させている余裕は無かった。
泥濘に足先が埋まる。動くには一拍どころでない間が必要だったが、香が功を奏して追撃はなかった]
流石に一度では効きませんか。
続けて食らってはこちらがもちませんし。
どうしましょうね。
[幻覚作用を含む香の濃度を高めたもの。
集中を乱せば相手が優位を保つ足場作りも崩せないかと狙っているが、その為には風に乗せた程度の作用では無理だと判断した]
ああ、致死毒など使いませんからご安心下さい。
[警戒し身構えるロミに微笑を浮かべる。
手の中に生み出したのは長鎌ではなく、鉄鎖。
泥の中を一歩踏み出し、ロミの右脇から叩きつける様に伸ばし迫らせた]