―前日/個室M―
[>>32 ミハエラの、迷惑じゃない、って言葉に、迷子が出口を見つけたかのように笑んで、赤くなった頬に触れ]
よかった。
[頬に触れた手は、肩に滑り、そこを借りた。再び立ち上がる為に。そして、混乱している彼女を落ちつけさせる為に、そっと壊れもののように抱きしめて]
――あー、あれだ。好きでもないやつにこんなことできるほど、俺は器用じゃないからな。
[そして、始まりの一言は、否定の否定でしか伝えられない残念さよ。落ち付いたなら、抱擁を解いただろうか。彼女が自分のことをどう思っているのかわからない。嫌われたくないので、そこであふれる言葉の水門を閉じた]
[それから、休むわ、と一方的に言い切って、ベッドに転がり眠りについた。
その日は、浅く眠ったり、起きたり。誰かが薬や食べ物を持ってきたらそれを食べたりもしただろうか。ただ酒だけはやっぱり駄目だった。当然である。]