─ 集会場 広間 ─
[ともあれ、そこで待て、と言われた事もあり、椅子の一つに落ち着いて。
膝の上に猫を乗せて物思いに沈んでいた所に聞こえた、声>>34。
天鵞絨の瞳が、きょとり、と大きく見開かれる]
……姉さん!?
ちょっと待って……なんで、姉さんまで……。
[駆け寄ってきた人に対し、最初に言えたのはそんな言葉だけ。
神妙な面持ちで問われると、ああ、と一つ頷いた]
……だからこそ、ここに呼ばれた訳だしね。
正直……俺も、信じられないよ。
[昨日送り出した時は、いつもと変わらない──いや。
いつになく、険しい面持ちだったような気もするが。
まさか、こんな事になるなんて、思ってもいなかった。
やりきれない思いに軽く唇を噛み締めていると、手を強く握られて。
は、と顔を上げた先には、笑顔>>35があった]