[この手。皺だらけの手。ヒトの一生を「一年」と呼ぶ。一年の輪が閉じるまであと少し……][ミケルの動作を眺めながら、ふわりと息をつく。ゆっくりのんびりと動くこの少年は、同じようにゆっくりとしか動けない身には丁度具合がいい。屈む背をみながら、ちゃんとご飯を食べているかしら?と思っていたところへ]……あら、ミレイユちゃん。大した事じゃないのよ。わたくしが不注意をして、お湯をこぼしてしまったの。[片手を冷やしながら、のんびりと答えた]