『血は警告。それより先に踏み込むなという啓示。 見てはいけない、それより先を見てはいけない。』[祖母の言葉が思い出される。苦手な赤い、血の演舞。どっどっと動機が早くなり、祖母の忠告も息をするのも忘れて。その中心に在る人の顔を、その体に走る傷跡を。詳細に、鮮明に。]『だけど、もしその先を見てしまったのならそのときは―――――』