[ちいさな呟き>>9は届いていたのか否か。
少年は指揮者のように鈴を振り、その動きに添うように、きのこたちはぴょこん、ぴょん、と木の葉色の光の渦の中へと飛び込んでいく。
きのこが跳ねる度に散るのは音色と光。
それは、月の灯の下、不思議な空間を織りなして。
やがて、籠の外のきのこたちは皆、渦の向こうへ。
そこまで行くと、リボンの陰から現れた妖精がぱたた、とそちらへ向かい、籠に結ばれたリボンを引っ張った。
しゃらん、と響く音。
直後、白い籠それ自体がするりと解け、中にいたきのこたちがぴょん、ぴょこん、と渦へと飛び込んで]