傷……?ああ……。[指摘されるまで、忘れていた。開いた肩口。見やれば、視界を真白が掠める]大丈夫……ですよ。この程度なら……。[放っておいても、という主張はやはり通らず。苦笑しながら、道具を取ってくる、というエリカを見送った]……さすがに、傷の痛みがある方が気が楽、というのは。通じませんよね。[ぽつり、と。零れた呟きは、静寂に落ちる。瞳は冥いが、エリカが道具を持って戻る頃には、それは薄れていた]