― 前日/個室M ―
[混乱している中、立ち上がったエーリッヒに抱き締められれば、体を硬直させただろうか。
心臓がバクバク言っている。口から飛び出そうなくらいの勢いで。
先に掛けられた言葉を頭の中で反芻してたところで、さらに掛けられた言葉の意味を理解するまで何秒くらい掛かっただろう。
おもむろに、休むと言ってベッドに転がられれば、逃げるように部屋を出ようとして]
…………ボクも、好きでもない人にあんな事言われてあんな風にされてたら、さすがに抵抗してますから。
[真っ赤な顔のままで、そんな事を言い捨てて行った。
その後は、しばらく部屋で真っ赤になったままジタバタしているかもしれない。
どうやら少しは自覚したもよう。
あ、ユーちゃんとのじゃれあいは、さっきのアレとは別次元だと認識していますよ]