あー長かった……っとっと。いけね。[携帯を切る手を見て、ぎょっとする。興奮したせいでか、携帯を握っていた手が膨らみ、粘着質な音を立てていくつもの細長いミミズのような器官に変わりかけていた。それはじゅるりと携帯の向こうから聞こえてきた音と近い音を立てている。慌てて反対の手でさすると、それは普通の人間の手に戻った。]慣たと思ったんだけどな。油断するとすぐこれだ…。あぶねー。ま、連絡は終わったし行くかぁ。[やれやれといった風にようやく重い腰を上げた。]