[やがて、橋のあった場所、僅かに残っていた欄干の土台に、やはり旅人の持参した細いロープで木の枝を括り付けて、即席の旗が立てられる。風に翻る赤は、見る人に何を想わせたか]誰か気付いてくれるといいですねえ。[旅人の口調は、今までよりも不安気だが、やはり、どこか暢気なものだった]