―廊下―[魔人はその場を動かずに、じっと耳を澄ませました。耳聡い風の属ではありませんから音の元がすぐにはわかりません。ただ何処からか再び水音が聞こえて、振り向いた先に見えたバンシーの涙に片眉を上げました。]なんだ・・・どうした?[泣く事が性の者ではありますが、どこか様子が違います。それが怯えに感じて魔人は彼女が出てきた扉の内へと視線を投げました。]