[泣かせたかったわけじゃ、という言葉に、また、反発が口を突きそうになる、ものの。
それは、ぎりぎりで飲み込んだ。
もしかしたら、ヴィリーやゲルダに突っ込まれたりしたのかも知れないが。
手を借りながらも、寄りかかろうとしない様子には、少しだけ呆れたようないろを覗かせ]
……ん、後は、ウチ、ついてるよ。
だから、兄さん、休んでて。
……ありがと、ね。
[部屋までたどり着いたなら、ヴィリーにこんな言葉を向ける。
それは、先に自分を落ち着けてくれた事への礼だけれど。
それ以外の意味合いも、少なからずあった]