― 第二階層・通路 ―[起こさなくていいから手を離してくれ、という願いは言葉にならず。ギブの合図も伝わらない状況で、同僚の声は救いの光だった。苦行から開放されるてもしばらくはぐったりと転がっていた]生きてますヨ。死ぬかと思ったけど。[大袈裟な言い方をしながら、よいせと身を起こす。極められかけた腕は痺れているので、一度壁を背に座った]医療班は勘弁して。逆に殺されちゃう。[定期健診から逃げていたりするダメな大人がここに一人。航行中の船の中で逃げ切れないだろうことはさておいて]