―中央エリア・ビル屋上―
俺に取っちゃ、今後の生活にも関わりますんで。
[残念、という言葉に、にぃ、と笑う。
刀ではなく、傘の方を拾う様子に、一つ瞬くものの。
す、と立ち上がり、胸の前で両腕を交差させるように、構える。
両の手、その指の間には複数の漆黒の煌めき]
一対多なんて、『仕事』してるとわりとよくあるからねぇ。
……まあ、そちらさんたちみたいに、綺麗なシンクロしてるパターンには、ついぞお目にかかってないけど。
それだけに……。
[言いつつ、は、と一つ息を吐き。直後、勢いをつけて床を蹴り、舞い上がった]
厄介なんだよ、ねぇっ!
[言葉と共にまず左、次いで右手が振り抜かれ]