─中央部・廃墟─
[払った脚を戻すには多少のタイムラグが発生する。その間に放たれる下からの振り上げは避けるまでは至らない]
くっ…!
[咄嗟に翳したのは二丁のハンドガンの銃身。かち合せるように近付けると、それは瞬時に一丁のライフルへと変じた。翳した銃身に相手の爪が迫る。振り上げられたそれはライフルを捕らえ、上へと跳ね上げた。足が地を滑り僅か後ろへ下がり、手からライフルが離れる。振り上げの余波でドレスの裾に爪の数だけ切り込みが入った]
貴女に似て煩い武器ですわね。
[鳴り響く声も、多彩な変化も。ある意味でカルメンに相応しいと感じた。主にマイナスな意味で]
[転がるライフルも捨て置き、次いで手に握られたのは一丁のハンドガン。けれど、引き金を引いて飛び出したのは、サブマシンガンの如き掃射された弾丸。然程離れていない距離で無数の弾丸がカルメンへと迫った]