人狼物語 ─幻夢─

64 滄に揺らめく銀鏡


双生児 フォルカー

―夜明け前/双子部屋―

[安静にしているようにと寝かされたベッドの上で、夜も遅くになる頃から夢現と覚醒とを繰り返していた。
今は鼻血も止まり、顔の方は目立った怪我はなくなったが、体の痛みはまだ引かず、服をめくればそこにはいくつかの痣は残ったままだった。

突如胸に感じた痛み、その苦しさは怪我によるものじゃなく、ここに来て何回か経験のしたことあるものに似ていた。
けれども、少し違うように感じるのは何かをとられるような、抜け落ちていくような苦しみ]

エーファ……?

[ベッドから這い出て、壁に手をつけ支えにし立つ。
そのまま痛む体を引きずるようにして部屋を出た。廊下を照らすのは月明かりのみで、皆は寝静まった頃なのか静けさを感じる。
昨日から一緒に寝なくなったエーファはどこにいるのか、聞いていたわけではないけれども向かう先に迷いはなかった。
その存在を、たしかに消える前に感じていたから、何よりも自分が守りたいと思った、自分の半身たるエーファの存在を]

(47) 2011/01/14(Fri) 02:43:11

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