[しばらくウェンデルの遺体を眺めた後。ドレス姿では、彼の埋葬を手伝う事もできないと気付き、泣いているベアトリーチェとその傍らにいるだろうクレメンスの方へ歩み寄ろうとして。どくん、と。再び鼓動が高鳴り。また蒼花が微かな熱を帯びる。何故かはわからないけれど、視線は伯父たちの方ではなく、遺体の近くにいる修道士の方へと泳ぎ]…………あぁ、そうか。[ライヒアルトの左胸にある、朱色の花が目に留まった。先ほどからの妙な感覚は、それに釣られたのだと察した]