……キス?
[一瞬魚の鱚を思い浮かべるが、すぐに本来の意味に至り、顔が真っ赤に染まった]
な、な、な、な、な! ゲルダ! 貴女、ライの事――!?
[さすがに長く一緒にいたのに全く気づいていなかった自分にちょっと自己嫌悪に陥りつつ、やることはしっかりやる。
散弾銃の如く飛んでくる風球を今度は冷静に展開した符の結界で完全に阻むと、結界が起動している間に、符呼術用の札を取り出した]
祖は何ぞ!
「我は火。全てを滅ぼし、全てを無に帰する者」
なれば、汝が背負いし使命を全うせよ!
「応! 我は火にして炎。炎にして紅蓮。新たなる生命を生み出すための破壊を成すべき獣なり――」
[符は巨大な火炎鳥となり、炎の羽を撒き散らしながらゲルダを襲う]