ふむ、身軽な事だ。
[一閃をかわされても、表情に変化はなく。
追撃を仕掛けるでなく、一度剣を引く。
自身から積極的に攻め立てぬのは余裕か、それとも他の意図故か。
緩く弧を描く口元、そこからは読み取る事は叶わない]
……ふむ、そう来るか。
[放たれたワイヤーの軌道に小さく呟き、剣を上げる。
が、切り払うに僅かに先んじて、飛来したそれは真紅の刀身に絡みついた。
剣が不満げに唸りを上げるが、その主の余裕は崩れず]
……容易く、捕えられるとは思わぬ方がよいぞ!
[ワイヤーの絡みついたままの剣、それを上へと振り上げようと力を込める]